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知りたい! 定番
欧文フォント。
《Serif》編

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今だからこそ、知っておきたい!
定番フォント《セリフ/Serif》編。

前回『今度は欧文フォントを探そう。』というテーマで無料・欧文フォントが見つかる人気サイトを紹介しました。
Adobe社のPostScript Type-1フォントが2023年1月で使用不可になることもあり、代替フォントやOpenType Fontに切り替える必要があります。 放っておくと過去にType-1フォントを使用して制作した書籍、雑誌、広告などデジタル化されたグラフィックやレイアウトデータにトラブルが生じます。 世界中で使われている定番欧文フォントはAdobe Type-1フォントに数多く含まれ、長い間DTPに使われてきました。 例えば1980年〜2000年代前半くらいまでの間にDTP制作で出版した小説などをはじめとする書籍を、重版したり改訂したりすることが多い出版社には頭の痛い問題です。 そして、その定番フォントの多くが、130年の歴史ある世界的欧文フォントメーカー「Monotype」社のものです。
今回は「知りたい! 定番欧文フォント。《Serif》編」と題して、セリフ体を代表するいくつかの定番フォントとそのフォントを使用したロゴなどを紹介したいと思います。
※上記の内容は2022年の記事です。Type-1フォントに関係ない方は「セリフ体の定番フォント」記事としてご活用ください。
▶︎このページ第2弾もございます。気になる方はこちらから。

イラストレーターのフォントパネルの『a』と表示されているのがType-1フォント。2023年以降Adobeソフトで表示されなくなります。

❶ 写真のようなフォントメニューにType-1フォントは自動的に表示されなくなります。
❷ 以前にインストールしたType-1フォントを使用することはできません。
❸ ドキュメントで使用されているType-1フォントは、「環境に無いフォント」としてエラーが発生します。

セリフとは

セリフとはアルファベットのストロークの端にある小さな飾りを指し、代表的なフォントではTimes New RomanやGaramond、つまり文字にウロコのある書体のことで日本語の明朝体に近い印象です。この小さな飾りは更に数種類に別れています。

1.Times New Roman

タイムズ・ニュー・ローマン


信頼感のある視認性のよい定番フォント。

タイムズ書体見本

Times New Roman (タイムズ・ニュー・ローマン) は、1932年にイギリスのタイムズ紙が新聞用書体として開発したラテン文字のセリフ体書体。新聞用書体として開発されていることもあり、 一般的に英語論文のフォントして多く使われています。その理由は読みやすさとイタリック体にできる事。(遺伝子や文献の名前などはイタリック体を使うことがルールです。) セリフ部分が尖っているのでやや堅めのイメージが見る人・読む人に信頼感や誠実性の印象を与えるフォントです。

タイムズ見本

※上の画像はTimes New Roman Boldを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Mac OS 標準フォント
▶︎macOS Big Surに組み込まれているフォントへ移動。

2.Bodoni

ボドニ


モダン・ローマン体の定番フォント。

ボドニー書体見本

Bodoni(ボドニ)はイタリアのジャンバティスタ・ボドニが19世紀初期に制作した活字を基に作られたモダン・ローマン体で、洗練された印象を持っている。画の太さを均一に幾何学的に構成されていて、カリグラフィ要素を排除しているのが特徴で広告デザインなどに人気の高い書体の一つです。 Didotと比べるとヘアライン部に太さがあり、縦方向の線が太めに設計されているため字面の黒みが強く、Didotより男性的な印象にも感じられます。

ボドニー見本

※上の画像はBodoni URW Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Adobe Fonts
▶︎Adobe Fonts Bodoni URWフォントのページへ移動。

3.Didot

ディド


洗練されたモダン・ローマン体のフォント。

ディド書体見本

Didot(ディド)はBodoniと合わせてモダン・ローマン体を代表する書体で、フランスのフェルミン・ディドが18-19世紀に制作した活字を元に作られた書体。
Bodoniよりも特に細いヘアライン部と余裕を持たせたカウンターから、上品さやクールで華奢な雰囲気が感じられる。縦横の線幅に差があるためコントラストの強いシャープな印象を持ちつつ、女性的な柔らかさを併せ持っている。VOGUEやHarper’s BAZAARなど多くのラグジュアリー系の有名ファッション誌やブランドで使用されています。見出しに向いている書体です。

ディド見本

※上の画像はDidot Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Mac OS 標準フォント
▶︎macOS Big Surに組み込まれているフォントへ移動。

4.Trajan

トライジャン


厳粛さと上品さを併せ持つ定番フォント。

トライジャン書体見本

Trajan(トライジャン) は約2000年前にローマに建てられたトラヤヌス帝記念柱の碑文を元にして、1989年にキャロル・トゥオンブリーによって設計された書体。2000年前の時代は小文字が存在していないため、小文字をスモールキャップスで表しています。厳粛な印象と上品さを持ち合わせるため、高級感のあるデザインなどに使われています。字面から力強さや物語を想像させるような印象を受けるためか、映画のタイトルとしてもかなり多く使われています。
GODIVAのロゴはセリフが付いていませんが、Trajanを基にしているそうです。

トライジャン見本

※上の画像はTrajan Pro3 Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Adobe Fonts
▶︎Adobe Fonts Trajanフォントのページへ移動。

5.Garamond

ギャラモン


伝統と優雅さを持った定番フォント。

ギャラモン書体見本

「ウルトラマン」に出てきそうな怪獣の名前みたいですが、16世紀にフランス人の活字鋳造業者、クロード・ギャラモン (Claude Garamond) が製造した活字がオールド・ローマンの代名詞のようにいわれたため、各地の活字鋳造所でGaramondと名付けられた活字が制作されました。
実はGARAMONDには、「オリジナルギャラモン」と「ジャノン系ギャラモン」というふたつの原型が存在します。フランスで長くオリジナルだと考えられていたGARAMONDが、実はスイス人のジャン・ジャノンがつくった書体だったことが後に判明し、それがオリジナルとは別に広がりました。例えば、Adobe Garamond(上)はオリジナルギャラモンがベースですが、Monotype社のGARAMONDやITC Garamondは、ジャノン系ギャラモンです。
伝統や優雅さを売りにするファッションブランドや化粧品メーカーなどにぴったりな書体です。

ギャラモン見本

※上の画像はAdobe Garamond Pro Semiboldを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Adobe Fonts
▶︎Adobe Fonts Garamond Proフォントのページへ移動。

6.Copperplate Gothic

カッパープレート・ゴシック


女性向け商品のロゴにもなる視認性のよいフォント。

カッパープレート書体見本

1901年にアメリカのタイプデザイナー、Frederic W. Goudy(フレデリック・ウィリアム・ゴーディ)によって設計されました。
Copperplateというのは銅板のことで、文字の端に小さなセリフが付いているのが特徴です。銅板印刷をしていたころ、銅板に彫った文字がきちんと見えるようにつけた強調線の名残を書き起こした書体だそうです。この書体はTrajan(トライジャン) と同様、小文字がありません。最初から本文用ではなく、タイトルなどで使用することを目的とされています。
やや平体気味のゴシック体ですが、高級感を演出したいロゴやタイトルに使用されることが多い書体です。ボールド書体でもなぜか女性向けの製品のロゴなどに使用してもしっくりとくる書体です。高級レストランやメッセージカードのタイトルなどにも違和感なく使える書体です。個人的には字間は広めに取って使うことが多いです。

カッパープレート見本

※上の画像はCopperplate Gothic Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。


■Mac OS標準フォント
▶︎macOS Big Surに組み込まれているフォントへ移動。


フォントについて|編集後記❸

今回はType-1 Fontが使用不可になることと共に、そのType-1 Fontに多く使われきた伝統的な定番フォント「Monotype社のフォント」セリフ体の中から定番中の定番のフォントを数点ご紹介しましたが、日本ではセリフ(ウロコがついた)体に近い書体をざっくりと明朝体と表現して、次回ご紹介するSans-Serif(ウロコがない)書体をゴシック体と呼んでいます。
“――西洋において「Gothic」というと単に「ローマン書体以外の文字」という意味しかなく、ブラックレター (blackletter) なども含まれるかなり広い概念であるため、西洋では通用しない言葉である。〈ウィキペディア〉――”とあるように日本とは意味合いは違うようです。昔は「洗練されていない文字」という意味のレッテルを貼られた書体のことだったらしく...ローマン(Roman)書体はというとItalic(斜体)でもなくゴシックでもない「正体、立体」という意味で、セリフ体もサンセリフ体もどちらも含まれる書体だそうです。
ただし、現代のローマン書体にはフォントファミリーの中にItalic(斜体)が含まれているではないか...! と思う方もいらっしゃるのでは?
“――「ローマン体とイタリック体」の「ローマン体」は傾かない書体のこと。「ローマン体とボールド体」の「ローマン体」は標準の太さの書体のことを指します。(ある書籍を抜粋)――”から一考するとローマンはフォントウェイト(太さ)いうところの「レギュラー(regular)」標準でもある...。
それでは、Times New Roman Bold Italicとはタイムズ・ニュー・ローマンというセリフ体のトランジショナル・ローマン体で、ローマン(標準体)ではなく、ボールド系のイタリック(斜体)ということだけど、Italicなのでローマン体ではない...?
『野田ともうします。』の野田さんと話しているように思えてきました筆者は総じて、ローマン体は洗練された読みやすいセリフ、サンセリフ体のこととすることにしました!!
ローマン体・セリフ体のウロコ部分はノミで石に文字を彫った跡が起源とされているそうで、明朝体のヒゲやウロコは筆の払い、留めが元になっています。
次回は同じテーマで《Sans-serif》編へと続きます――。


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▶︎定番欧文フォント。《Serif》編 第2弾はこちらから。